どんな君でも愛してる

「例えばだ。凛花にたくさん感じさせて今すぐ俺を欲しいと思わせることもできると言ってるのさ」

 私は真っ赤になって彼を見た。なんてことを言うんだろう。そして、この色気は何?

 私、とんでもない人とお付き合いしようとしてるんじゃないの?

 こんな人が身体を許さない私を長期間そのままにするはずがない!

 私が身体をそらしたら、彼は子供をあやすように、ぽんぽんと私の背中をたたいて安心させた。

「ごめん。だから例えだよ。でもそうはしないと言っただろ。気持ちがない身体の関係なんて必要ないと俺は思ってる。お互いが好きで求めるようにならないと意味がない。俺の全部を欲しいと凛花が思えばいつか……大丈夫だよ、凛花」

 この人はどこまで大人なのか、私は自分がいかに子どもなのかを痛感した。
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