どんな君でも愛してる

 そう言うと、私の顎を捉えてキスをした。

「……ん……」

 どんどん深いキスになり、彼は私をベッドに横たえた。私はびくりとした。彼は唇を離して私の顔を至近距離で見て頬をなでた。

「大丈夫……。何もしないよ……おびえるな。こうやっていつもおびえていたんだろ。かわいそうに怖かったんだな。俺は君の様子を見て手を出すよ。嫌ならいつでも撤退する。安心しろ。だからって君から離れて遠くへ行ったり、他へ目移りはしない」

「いつか……」

「なんだ?」

「もし、すべてを見たときに、やっぱりダメだなと思ったら本当のことを後でメールして。その時は言わないで。でも教えてほしいの。黙って私の前から消えないでくれる?」
< 173 / 302 >

この作品をシェア

pagetop