どんな君でも愛してる
彼はすごく私のことをおいていくのを心配していた。退職時に自分のところへ来いと言ってくれていた。
今更ながら気づいた。許されるなら彼の会社へ行くのが正解なのかもしれない。だって、仕事がなくなったとしても、彼から離れることは到底できそうにない。
「もちろんだ。しばらくは何もしないで休め。身体の状態が万全になってからあとのことは考えろ。凛花、決心してくれてありがとう。俺はこの事故を聞いて、凛花を説得して何が何でもSUNAを辞めさせると決めていた」
「信也さん……」
「君は逆恨みされただけで、ちっとも悪くない。すべて俺のせいだ。だが、本当は俺よりもSUNAの社長が悪い。元いた会社の社長を悪く言いたくないが、取引先についての備えが甘い。危機管理もない。このままではいずれ会社も傾くだろう」