どんな君でも愛してる

「夜は入れないわよ」

「個室だろ?何とかなる」

「本当はこの時間も面会はだめなはずだけど……」

「知ってる。でも入って来ただろ?」

 にやりと笑う。もう、本当に……でもきっと相当心配したんだろう。顔色も悪いし、髪はぼさぼさ、目に隈が見える。ほとんど寝ていないのは見ればわかる。

「無理はしないで。私ならもう大丈夫よ。あなたを思い出したから、おそらく全部思い出せる」

「凛花、君の大丈夫は信用ならない。あの日も電話で俺にそう言ったんだぞ。結果こうなってる。とにかく大事にしろよ。あとでまたな」

 彼は私に軽く口づけをして、いなくなった。しばらくして母が入ってきた。
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