どんな君でも愛してる

「さ、凛花」

 彼が私の身体を支え、ソファから立たせてくれた。お父様を置いてリビングを出た。
 
「凛花、ごめん。父さんの言ったことなんて気にするな。あとできつく注意しておく」

「やめて、お父様の自慢の息子さんだもの、私の身体のことを聞いたら心配にもなる。言われるのは当然よ」

「凛花、何度言ったらわかるんだ、俺はどんな君でも……」

「わかってる。ありがとう」

「わかってるならいい。今は身体のことだけ大事にしろ。俺は君がいないとダメになる。今回のことでよくわかったんだ。君に何かあったらと考えただけで食事や睡眠もとれなくなった。俺の為にも側に必ずいると約束してほしい」

 流し目をよこす。いちばん欲しい言葉をくれる人。支えたいけど、このままじゃお荷物になりかねない。
< 267 / 302 >

この作品をシェア

pagetop