どんな君でも愛してる
「そうだね。言ったじゃない、理由も教えたよね」
加菜はじいっと私を見ている。
「ごめん。違うの、相川君がフリーになったのって凛花が原因らしいって聞いたの」
「え?」
「でもさ、川村とは一応飲み友達なんだよって相川君が言うからね、凛花に直接聞きたかった」
「その通りです。ちなみに、私は彼をそういう風に見たことはありません。この先もおそらくありません。愚痴を言える楽しい飲み友達を失うつもりもないわ」
彼は親しい同期。言いたいことが言えるから、ついフラストレーションがたまるとお互いに誘って愚痴大会になる。
ほら、北野さんのこととかね。部長がしらんふりしてることとかね。色々あるけど、彼の愚痴も公私共によく聞かされてきた。