どんな君でも愛してる

 彼はそう言うと、私の左手をつかんで薬指に指輪をはめた。綺麗に入った。彼のことだ。準備していたんだろう。ぴったりだった。涙が自然と頬を伝った。

「……ううっ……」

「返事はくれないのか?」

 私はそのまま彼の胸に倒れこんだ。しばらくして落ち着いた私は彼にゆっくり言った。

「っ……嬉しい、嬉しいけど……私なんかで……」

「りーんか」

 彼はいつものように私を抱き寄せ、顔を上げさせた。そして涙を拭いてくれた。

「私なんかってなんだ?」

「……」
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