どんな君でも愛してる

「あーあ。返事をもらうのにこんなに時間がかかるとは思わなかったな。俺もまだまだだな。凛花の信用がここまでなかったとは、ショックだ」

 彼は私の左薬指を見ながらキスをした。

「この指輪はもう離れないんだよ。実は接着剤付きだ」

「な、何言ってんのよ、こんな時にふざけた冗談言わないで……」

「凛花、返事を聞かせてくれ」

 彼は真剣なすがるような眼で私を見た。この人を捨てられる?捨てたら私は生きていけない。
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