どんな君でも愛してる

 どうりでおかしいと思った。周りが傷病手当やら労災やらつけて、有給休暇をきちんと全部消化させたうえで、退職手続きをしてくれていたからだ。

 * * * 

 事故から一年。

 思い切って私は肩の手術を受けた。しばらくリハビリをすると、ようやく肩が元通り上がるようになった。本当に安心した。

 不自由な体で彼と結婚することにずっと迷いがあった。これで進む決心が出来た。

 もうすぐ結婚式だ。それを機に、彼とやっと同居する。

 退院後から母と一緒に住んでいた。手術をする決断をするまで結局肩が治らず、母より心配している信也さんの命令で実家にいたのだ。
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