どんな君でも愛してる

「そうだ、結婚式を機に家を新築して引っ越ししようか。どこに住みたい?どんな家がいい?」

「もう、信也さんは困った人ね」

「困った人は凛花だ。いい子にしてろ。もうすぐ結婚式だ。そうしたらハネムーンだぞ」

「そういえばそうだった。楽しみ」

「そうだろ。俺は楽しみすぎて最近浮かれてると相川に注意されたよ。浮かれて当たり前だよな。何が悪いんだ」

「信也さん、ほんとに困った人ね」

「ああ、困った人で結構。行くぞ凛花」

 雨が上がった。

 片手に荷物を持って、彼は私の手をぎゅっと握ると歩き出した。

 空には綺麗な虹が見えた。私達のこれからを歓迎してくれているようだった。


FIN.
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