どんな君でも愛してる
「間に合うわけがないですよね。だってこの先は表計算だし、私何回やってもできないですもの。お仕事ができる川村さんにお任せしたほうが間違いもないし、やり直ししなくて済むから効率いいですよね」
「……」
後ろの席にいる木崎君があきれた顔をして彼女を見ている。彼は北野さんの同期で、相川君と交代で営業から人事へ来た。
部長は聞こえているのに知らぬふりを決め込んでる。彼女が席を立った。
隣の三井先輩が私の隣に椅子を転がしてきて、私の背中をさすった。
「川村ちゃんが可哀想。彼女、他へ異動させるべきだよ。部長、何とかしてください」