どんな君でも愛してる

 三井先輩はわざと少し大きな声で部長に向かって言った。

 すると、部長は手をひらひらと振って席を外した。想定内のいつもの光景だ。

「はあ……このままじゃ彼女はどうにもならず使い物にならないかもしれません。ただ、うちならいいと思われているのが少し頭に来る」

 それを聞いた木崎君が頷いた。

「まあ、時間の問題じゃないですか?これって部長ひとりで抑えておける範疇を超えている気がします」

「だからさ、川村さんも彼女のしりぬぐいをやめて、北野さんがやらかして大きな穴に落ちるのを見ているべきだよ」

 三井先輩がすごいことを言う。そうはいっても……私、これでも彼女の指導員なんですよ。はー。
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