どんな君でも愛してる
「ああ、君も知ってる沿線だ」
「え?!私も知ってるって何です……」
嫌な予感がした。
「たまたまいいのがあの沿線にあったんだよ」
「まさか……相川君経由ですか?同じ営業部ですよね。彼、叔父さんの不動産会社をご紹介しました?」
「お前もあの沿線なんだってな。相川が住みやすいって紹介してくれたんだ。あいつのふたつ先の駅だ」
にやりと笑って私を見る。私は彼のひとつ先の駅だ。
すると、後ろから北野さんの強烈な香水が漂ってきた。