どんな君でも愛してる

 四歳上の姉は父の会社のエリート社員と結婚した。彼は経営部門の人間。父は研究者。俺は営業だ。

 うちは基本的に医薬品を研究し、販売会社は別な会社だった。

 今いるSUNAがその販売会社なのだ。父の会社ノアケミカルの研究結果を商品化した会社として、大きな取引が昔からある。

 俺は元々実家のノアケミカルにいたが、姉の結婚が決まって、父は出向扱いで俺をその販売会社へ出した。

 外で別な人脈を作り戻ってほしいと言っていた。また、今後義理の兄が弟の不在中どうするかを観察する意味もあると言っていた。

「父さんは?相変わらず忙しいのか?」

「そうね、研究は相変わらず続けながら社長をしているけど、まあ紘一さんがサポートしてくれていて大分楽にはなったようよ」
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