どんな君でも愛してる

 その後、川村さんからすぐに社内メールが送られてきた。

『部長に何か言ってくださったんですね。ありがとうございました。ずっと胸につかえていたものがおりてすっとしました。並木さんの手続きは全部、これから私が心を込めて致します。ご期待ください!』

「……ぶっ!」

 俺はそのメールを読んで笑ってしまった。ああ、やはりこの子はいい。

 何も言わなくても俺が働きかけたと気づいて礼を言ってきた。

『君には仕事以外も期待している』

 そうすぐに返信した。

 彼女がまた両手で顔を覆っている姿が目に浮かんだ。相川抜きにしてふたりきりで会おうとその時決めた。
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