どんな君でも愛してる
「四年くらいですかね。女将さんも相変わらずおきれいで……」
「いやだわ、もう。お父様みたいになってきたわね。そろそろいい年でしょうに。あまり、女性を泣かせてはいけませんからね」
「父とは違います」
父が顔を上げて、俺を見た。
「あらら、帰って来て早々……仲良くしてください。邪魔者はいなくなります。いつものでよろしいですか?」
父がうなずくと、女将はどうぞごゆっくりといって消えていった。
「信也」