どんな君でも愛してる

「それなら、話してある」

「相変わらず、先回りが得意だな、父さん」

「いや、今回は本気で早めに戻したいんだ。できるだけのことはする。そちらの新商品を私が作ったものにすることで調整済みなんだ。手土産は準備済みだから、お前もその気で頼むよ」

「……そんな前から計画していたのか?話してくれたらよかったのに。だいぶ前から困っていたんだな」

「ああ、実はそうだ。紘一君が義理の息子となった以上覚悟は必要だが、うちは少なくともお前がいることを忘れてもらっては困るんでね」

 父さんの苦渋はわかった。

 俺は少し考える時間が必要になった。何しろ戻ったばかりなのだ。

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