どんな君でも愛してる

 一度だけ行ったことのある、雰囲気のあるいい店だった。その店にもう一度行きたいと思っていたので正直うれしかった。

 そこは多国籍料理の店で、お料理もお酒などもおいしかった。しかし値段もそこそこお高かった。

 私は記念日におごってくれそうな素敵な彼氏もいないし、常に割り勘。それ以降行けなかったのだ。

 並木さんと行くなら、前から本社にいる私のほうがお店を知っているだろう。

 自分から手配しないといけなかったのに、申し訳なかった。しかも、北野さんのこともあって、私は並木さんに何かお礼がしたかった。

 金曜日までにハンカチを買っておいた。あまり高いものだと受け取ってもらえないだろうし、必ず使えるものがいいと思ったのだ。
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