どんな君でも愛してる
彼女はあれからとても静かになった。そして、仕事は相変わらずできないが、文句はいわなくなった。
口をとがらせるだけになった。すごい進歩だと皆で言っていたくらいだ。
でも、並木さんのことは根に持っている。電話が来るたび、私が話しているとき睨んでいるのは知っていた。
なぜ、彼女がそこまで並木さんのことに執着していたのか知らなかった私は、軽く考えて過ぎていたかもしれない。
つけは後から回ってきた。
* * *
そして金曜日になった。
「はい、人事の北野です」