どんな君でも愛してる
* * *
並木さんは約束の時間よりも一時間以上遅れてきた。汗をかきながら走ってきたのが窓から見えた。
「はあ、はあ、すまん」
「……お疲れさまでした。気にしなくていいって連絡したのに、お仕事なんですから。しかも課長で、こちらに赴任してまだ間もないじゃないですか。お忙しいのはわかってましたから、お言葉に甘えてひとりで始めてました」
目の前にはいくつかの料理がすでに並んでいた。最初に頼んだものはすでに冷めてしまっている。並木さんの分を残しながら食べていたが、さすがにここまで遅くなるとは思っていなかったのだ。
「いや、こんなに遅くなるとは思っていなかったんだ。本当に悪かった」