どんな君でも愛してる

「何かトラブルです?」

「いや、そうじゃないんだが……」

 私はメニューを出して彼が指をさすものを頼んであげた。

「「乾杯!」」

 一気飲みした彼は、一息ついて話し出した。

「北野化学が提携を解除したいと申し出てきた」

「え?北野化学って、確か北野さんのおうちの会社ですよね……」

「そうだ。彼女、菫化粧品の社長と婚約が決まったそうだ。それで合併するらしい。彼女、おそらく近いうち退職するだろうな」
< 74 / 302 >

この作品をシェア

pagetop