どんな君でも愛してる
「おい、変な事言うなよ。彼女はただの会社の同僚だ。いろいろ世話になったんでお礼に、しかもお前のところだと安心だから連れてきたんだぞ」
ただの同僚……。その割には距離感が最初からかなり近い。今もカウンターなので席が近くなった。すぐ横に彼の気配だ。
「そうか。それは光栄ですね。お嬢さん、どうぞ好きなものを頼んでください。一杯目は信也の顔を立てておごりますよ」
ウインクしてくれる。魅力的な人だな。
「おい、川村。何をこいつに見とれてんだよ」
「……え?あ、カッコいいなと思って……」
「はあ?おい、お前こんな男がいいのか?こいつの後ろには川村みたいに顔だけで騙された女たちが列をなしている。やめておけ」