クールな御曹司と初恋同士の想い想われ契約婚~愛したいのは君だけ~
「でも、私より匠先輩の方が忙しいのに。大切な時間を無駄にさせてしまってごめんなさい」
業界トップの大企業『日高製紙』の次期社長と言われている匠の方が、何倍も忙しいはずだ。
なのに大切な時間を無駄にしてしまい、申し訳なくて仕方がない。
「大切な時間か……」
匠は小さく呟きふっと口角を上げた。
「そうだな。美緒と一緒にいられる大切な時間が減ったのは、残念だな」
甘い声でそう口にすると、匠は美緒の頭を軽くポンと叩いた。
「あの……」
美緒は顔がかあっと熱くなるのを感じた。
親しげな仕草やふれ合いに特別な意味はないとわかっていても、身体は正直だ。
「じゃあ、ふたりの大切な時間をこれ以上無駄にしたくないし、行こうか。いつもの店を予約してるんだ」
普段と変わらない落ち着いた声と穏やかな表情。
匠にとって美緒に触れることなど意識するほどのものではないのだろう。
美緒の頭を叩いたのも、無意識のようだ。
「ありがとうございます。今年も楽しみにしてました。あ、でも時間は大丈夫ですか?」
美緒は動揺を隠しつつ問いかけた。
「ああ、連絡を入れておいたから大丈夫」
匠はあっさりそう言って、笑みを深めた。
「美緒だけじゃない。俺も今日、美緒に会うのが待ち遠しかった」
「は、はい……」
瞬間、鼓動がトクリと跳ねる。
「今年もこの時期に美緒と会えて、うれしいよ」
業界トップの大企業『日高製紙』の次期社長と言われている匠の方が、何倍も忙しいはずだ。
なのに大切な時間を無駄にしてしまい、申し訳なくて仕方がない。
「大切な時間か……」
匠は小さく呟きふっと口角を上げた。
「そうだな。美緒と一緒にいられる大切な時間が減ったのは、残念だな」
甘い声でそう口にすると、匠は美緒の頭を軽くポンと叩いた。
「あの……」
美緒は顔がかあっと熱くなるのを感じた。
親しげな仕草やふれ合いに特別な意味はないとわかっていても、身体は正直だ。
「じゃあ、ふたりの大切な時間をこれ以上無駄にしたくないし、行こうか。いつもの店を予約してるんだ」
普段と変わらない落ち着いた声と穏やかな表情。
匠にとって美緒に触れることなど意識するほどのものではないのだろう。
美緒の頭を叩いたのも、無意識のようだ。
「ありがとうございます。今年も楽しみにしてました。あ、でも時間は大丈夫ですか?」
美緒は動揺を隠しつつ問いかけた。
「ああ、連絡を入れておいたから大丈夫」
匠はあっさりそう言って、笑みを深めた。
「美緒だけじゃない。俺も今日、美緒に会うのが待ち遠しかった」
「は、はい……」
瞬間、鼓動がトクリと跳ねる。
「今年もこの時期に美緒と会えて、うれしいよ」