毒で苦い恋に、甘いフリをした。
ニカが行ってしまって、ゆうれいと目が合った。

ぷいって顔を逸らして、教室に戻って鞄を掴んだ。

「なーに怒ってんの」

「ついてこないでっ」

「俺も帰るんだよー」

「じゃあさっさと帰れば!?」

「なんでそんなに怒ってんだよ。なぁってー」

「なんであんなことすんの!?」

「ニカちゃんに言ったこと?人前でゆめに触れたこと?」

「どっちもだよ!」

ズンズンってちからを込めて階段をくだって、
下足箱でローファーに履き替えて、雑に歩き続けていたらゆうれいに腕を引かれた。

「ゆっくり歩いて。お願い、一緒に帰ろ」

「やだ」

「お願い」

「絶対やだ」

「ごめんなさい。一緒に帰りたいです」

「…勝手にすれば」

「やった!」

「反省しろ!てかバスだから!」

「知ってるよーん」

なんなの一体…。
二学期に入った途端、ゆうれいの“デレ”が強くなった。

非常にに困ります。
どういうことなの!?
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