毒で苦い恋に、甘いフリをした。
「そんなんだから風くんはあんたこと好きになんないのよ!!!」

「そんなんだからってなに!?あんただっていい子ぶってたニセモノじゃん!性悪じゃん!」

「だからなに?」

ニッて口角を上げたこころちゃんが私との距離を詰めた。

「なによ…」

「こんな私を風くんは知らない。だから好きになった。あんたよりも私を選んだ。過ごした時間の長さよりもあっさりとね?それがすべてでしょ?」

「あんたがどんなに泣き落とししたってゆうれいはあんたなんか絶対に好きにならない。その最低な性格、ゆうれいには似合わないよ」

「一番最悪なのはお前だろっ!このクソ淫乱女!」

「だったらなによ!それでもゆうれいが私から離れられなかったんでしょ!利用されることをゆうれいだって望んでたんだよ!自分が見向きもされなかったからって逆恨みすんなっ!」

「お前もだろーが!失恋して手近の男に縋って!お前みたいな女が一番キモいんだよ!」
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