毒で苦い恋に、甘いフリをした。
「結芽の様子がおかしいこと、気づいてたよ。冗談っぽく言ってた好きとか…そんなこともたぶん嘘じゃないんだろうなって…。でも俺はこころのことが大事だったし、お前が言った通り…結芽との関係も壊したくないずるい奴だったんだ。俺がちゃんとはっきり言ってればよかったんだよな」
「あのさ、こうなっちゃったことはゆめだけの責任じゃないから。誘ったのは俺だから。俺からもちゃんと説明させて」
「怜は本当に結芽のことが好きだったから風を忘れて欲しかったんでしょ…」
「最初はね。誰かを好きでいる気持ちがそんなに苦しいならその恋は間違ってるって思ってた。俺ならもっとハッピーで毎日笑わせてあげられるのにって」
「じゃあなんでこんなこじれちゃったのよ」
「何を言ってもゆめの気持ちが風から動かないんならさ、もう心の一番大事な部分は風のままでいいから、苦しいときにそれを忘れさせてやれるだけでいいって思っちゃったんだよ」
「だからって…そんなことしたってその一瞬だけで結芽が完全に風を忘れるわけじゃないでしょ。怜の心が壊れてくだけじゃん!」
「そうだよ…。ゆうれいの優しさに甘えて、忘れられるわけないのにゆうれいとそういうことしてる間だけは独りじゃないって思えた…。ゆうれいだって気づいてたよね?苦しいときにそばに居るとかそんなことはとっくに綺麗事になってた。本当に好きなひとに選んでもらえない劣等感や孤独を思い知るのが怖かった。ゆうれいに求められてる一瞬だけは違うって思えたの…。私は不必要な人間なんかじゃないって…」
「あのさ、こうなっちゃったことはゆめだけの責任じゃないから。誘ったのは俺だから。俺からもちゃんと説明させて」
「怜は本当に結芽のことが好きだったから風を忘れて欲しかったんでしょ…」
「最初はね。誰かを好きでいる気持ちがそんなに苦しいならその恋は間違ってるって思ってた。俺ならもっとハッピーで毎日笑わせてあげられるのにって」
「じゃあなんでこんなこじれちゃったのよ」
「何を言ってもゆめの気持ちが風から動かないんならさ、もう心の一番大事な部分は風のままでいいから、苦しいときにそれを忘れさせてやれるだけでいいって思っちゃったんだよ」
「だからって…そんなことしたってその一瞬だけで結芽が完全に風を忘れるわけじゃないでしょ。怜の心が壊れてくだけじゃん!」
「そうだよ…。ゆうれいの優しさに甘えて、忘れられるわけないのにゆうれいとそういうことしてる間だけは独りじゃないって思えた…。ゆうれいだって気づいてたよね?苦しいときにそばに居るとかそんなことはとっくに綺麗事になってた。本当に好きなひとに選んでもらえない劣等感や孤独を思い知るのが怖かった。ゆうれいに求められてる一瞬だけは違うって思えたの…。私は不必要な人間なんかじゃないって…」