毒で苦い恋に、甘いフリをした。
濃すぎた二学期が終わった。
この数ヶ月で人生が変わった気がする。

大袈裟だとは思えなかった。
親友との関係性は変わったし、
かっちゃんとは遂に恋人同士になっちゃったし。

「ニカは黒崎くんとクリスマス何するの?」

終業式が終わって、教室に戻ってからニカと喋っていた。

冬休みに入る前にニカとも普通に喋れるようになってよかったなって思った。

かっちゃんとは付き合って一ヶ月くらいが経って、
ゆうれいとは当たり障りのない会話はできるようになった。

こころちゃんは女子のグループの中で、
毎日天使の顔をして笑っていた。

毎日いろんなことが起こって、
誰だって自分に一番近いことが大事だから、
同じ教室にいても私とこころちゃんの噂はあっという間に忘れられた。

付き合ってからずっとかっちゃんは優しい。

優しくて、甘い。
毒なんてどこにもなくて、自分がぬるま湯に浸かっている気分になる。

このまま溺れて死んでしまってもきっと幸せとすら思えた。
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