毒で苦い恋に、甘いフリをした。
「ニカ!ほんっとーにごめん!」

「いいよ、いいよー。相当ツラかった?大丈夫?」

「う…うん…」

ニカに嘘をついて胸が痛かった。
本当のことを言おうとも思ったけれど、あれこれ思い出していたら、絶対に言っちゃだめ!って脳が指令を出してくる。

「怜もずっと居なかったよ」

「あ、うん…さっきそこですれ違った…」

「えー、サボりぃー?」

「んーっと…ゆうれいもなんか体調よくない?みたいな…?頭がポヤポヤするーって…」

「眠いだけじゃない?」

「あ…はは…」

うん。ニカ、大正解…。
ゆうれいの体裁のために、これ以上喋るのはやめておこう。

今日は六時間目の時間は職員会議だから、もう授業はなくて、このままホームルームをしたら帰宅できる。

五時間目をサボったくせに妙に疲れてしまって、六時間目がないことは有難い。
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