毒で苦い恋に、甘いフリをした。
「ゆめって何型?」

「え、なんで?」

「俺が何型だと思う?」

「んー、B」

「ちがーう」

「O…は違うよね?」

「ちがーう」

「まさかA?」

「まさかってなんだよ。違うけど」

「全部ハズレちゃった!ABなの!?」

「そだよ。ゆめ、ABでしょ」

「え?私?違うよ?」

「は?ぜってーABだって!」

「あはは、違うって」

「はぁ?じゃあB?」

「ちがうちがう、Aだよ」

「絶対うそ。絶対AB」

「なんでよ」

「だってさ」

「うん?」

「全部俺と一緒だから」

「…は?」

「全部俺と一緒。好きな食べ物も食べられない物も、何が嫌とか好きとか…全部一緒だから。違うならABになってよ」

「なってよって。またそんなおとぎ話みたいなこと言って」

「おんなじになって、血液交換しようね?」

「なにそれ怖い」

「あはははは。さすがにキモすぎた俺!」

「なんの冗談よ」

「今のはジョーダンだけどさ?でもほんとだよ。俺は全部、ゆめとおんなじになりたい」

アイスコーヒーを一口飲んで、ゆうれいは満足そうにフォークを置いた。
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