毒で苦い恋に、甘いフリをした。
かっちゃんとは中一のときからずっと同じクラスで、高校もなんとなく、かっちゃんが選んだ高校を自然と私も選んだ。

自然と、なんて言ったってその大半の理由は「かっちゃんと一緒が良かったから」なんだけど。

私はかっちゃんを恋愛対象として好きだった。
出会った中一のときからずっと。

かっちゃんに彼女ができたこともある。

ゆうれいと並んでいても、どっちがアイドルグループのセンターですか？ってくらい端正な顔立ちで、
何よりも笑ったときのくしゃってほどける表情が最高に可愛い。

だからかっちゃんも当たり前みたいにモテる。

それでもずっと好きだった。

身長は175センチでゆうれいよりも大きい。
「お前は可愛いなー」なんてからかうたびに本気で拗ねるゆうれいを可愛がっている。

相性が良くて、何を話しても一緒に何をしても楽しくて、これ以上に心を許せる異性なんて存在しないって本気で思っていた。

一応、かっちゃんに彼女ができたら私だって遠慮はする。

それなりに配慮もするし、できるだけ近づかないようにとか、連絡を控えるとか心がけてみるけれど、彼女と付き合ってても別れたあともずっと私とは変わらない関係性を、私も手離すことができなかった。
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