毒で苦い恋に、甘いフリをした。
花火大会当日。
四時頃にニカのおうちで、ニカのお母さんに浴衣の着付けをしてもらった。
お揃いの浴衣にしようねって夏休み前から話していて、
ニカは濃紺に椿柄、私は白地に椿柄を選んだ。
ニカのお母さんは美容師をしているから、ヘアセットも可愛くしてくれて、
いつもと違う雰囲気にちょっと照れた。
可愛い可愛いって言ってくれるニカのほうが、元々ベースが完璧に整っているから余計に美しさが際立って、今までで一番写真を撮ってしまった。
「もー!結芽、そろそろ待ち合わせ場所行くよ!」
「はーい…もっと撮りたかったのになぁ」
「まったく…メインを忘れないでよね」
夕方前になっても外は相変わらず暑いし、
なんなら普段着より浴衣のほうが風通しは悪そうだし、
セミの大合唱もまだまだ耳につくけれど、
いつもより全然不快じゃない。
いつもと違う格好をしただけでこんなに気分が変わるなんて単純だ。
待ち合わせ場所に近づくにつれて、
ニカがソワソワしはじめた。
「緊張する?」
「べ…別に」
「してるでしょ。すっごく可愛いから大丈夫だよ!」
「…結芽に励まされるなんて変なの」
「あはは!今日は可愛いニカがいっぱい見れちゃうのかなー」
「絶対に茶化したりしないでよね!?」
「分かってますよー」
四時頃にニカのおうちで、ニカのお母さんに浴衣の着付けをしてもらった。
お揃いの浴衣にしようねって夏休み前から話していて、
ニカは濃紺に椿柄、私は白地に椿柄を選んだ。
ニカのお母さんは美容師をしているから、ヘアセットも可愛くしてくれて、
いつもと違う雰囲気にちょっと照れた。
可愛い可愛いって言ってくれるニカのほうが、元々ベースが完璧に整っているから余計に美しさが際立って、今までで一番写真を撮ってしまった。
「もー!結芽、そろそろ待ち合わせ場所行くよ!」
「はーい…もっと撮りたかったのになぁ」
「まったく…メインを忘れないでよね」
夕方前になっても外は相変わらず暑いし、
なんなら普段着より浴衣のほうが風通しは悪そうだし、
セミの大合唱もまだまだ耳につくけれど、
いつもより全然不快じゃない。
いつもと違う格好をしただけでこんなに気分が変わるなんて単純だ。
待ち合わせ場所に近づくにつれて、
ニカがソワソワしはじめた。
「緊張する?」
「べ…別に」
「してるでしょ。すっごく可愛いから大丈夫だよ!」
「…結芽に励まされるなんて変なの」
「あはは!今日は可愛いニカがいっぱい見れちゃうのかなー」
「絶対に茶化したりしないでよね!?」
「分かってますよー」