七色の飴玉
――10年後。
あたしは25歳になっていた。
あたしは小さい頃からの夢、幼稚園の先生になった。
…今日は幼稚園の入園式。
あたしの担当クラス、年少組の桜組には27人の園児が迎えられた。
その中の出席番号27番の園児の名前は渡辺亜理砂。
母親の名前は渡辺真由美。
父親の名前は…渡辺卓也。
「先生ー!」
「なーに?亜理砂ちゃん」
「えへへーよんでみただけだよぉー」
「もぉー」
「あはははっ」
今日先輩と10年ぶりに再会するという事を、この時のあたしは、まだ知らない。
『レモン』End