先輩のこと、好きになってもいいですか?
分かる、分かるよ。
超絶美人に好きな人がいるっていう事実は結構衝撃的だよね。
「ご、ごめんなさい……」
わたしなんかがお試しでも先輩の彼女になるなんて、そんなの間違いだった。
先輩の隣には、わたし以上にふさわしい人がいる。
きっと、それは月岡さんみたいに美人な女の子だ。
わたしの小さな謝罪の声は、2人のところまで届いてくれたらしい。
恐らくわたしのことを疎ましく思っているであろう2人は、急にわたしから謝られて何て返事をすればいいか分からず困り顔を浮かべている。
良かれと思って言ったことが、2人のことを困らせた。
その事実にわたしはまた落ち込んでしまう。
その時ちょうどこのクラスの担任が現れ、みんな各自席についていく。
朝のホームルームが始まり、そして終わり、1限目の始まりの時刻が近づいて来る。