先輩のこと、好きになってもいいですか?
「っ、ほんと、いい加減にしろ!!!」
教育委員会に訴えるぞ!! と激情するオヤジを無視して、おれは教室を後にした。
もう、あんなところにはいたくない。
おれが向かった先は、中庭の奥。
そこが1人になりたい時に最適な場所だった。
おれだけの場所。そう思っていたから、先客がいると知った時には驚いた。
「…っぐすん、うぅ〜……」
女のすすり泣く声が聞こえる。
おれはそれを聞いてうんざりした。
あまりにもタイミングが悪すぎる。
だけど、その声には聞き覚えがある気がして。
「……っ、うう、うわぁん〜〜」
……っ、美辺?
分かった途端、すぐに影から出て行こうとした。
だけど、その前にある男が美辺の前に現れた。
……おれよりも先に。