私のカクシゴト ~アイドルの私とあの人気歌い手!?~
7.夏くんの隠し事
ま、まさか、夏くんがあの人気歌い手グループ、『ハナタバ』のメンバーだったなんて!
『ハナタバ』グループは、今大人気上昇中の歌い手グループ。
顔を隠していて、それぞれ個性的な4人がメンバーなの
リーダーの『和和の一号』
さんを始める、『ハルキ』さん。『ナツキ』さん。『ケイザカ』さんの4人。
みんな一人一人が大人気で個人チャンネルでも1つの動画1万回再生を超えていて広告が付くぐらいに
今もコラボしないか迷っているってマネ(マネージャーのことだよ)が言ってたの
「そ、そうなんだ!私も知っているよ。歌、素敵だね」
「っ!そ、そうかな?ありがとう」
ふふ
なんだか少し嬉しそうに笑う無邪気な笑顔がとてつもなく可愛いな
「あはは、歌の上手い美華ちゃんに歌を聞いてもらっていたなんて、すごく、うれしい」
「っ!」
な、なになに!?
何この感情!
初めて会ったのに、初めてなはずなのに、
(う、嬉しい、でも、恥ずかしい!!)
うう、直視出来ない
「?どうしたの?美華ちゃん」
「っ!」
わ、私少しおかしい?
「な、夏くんは!『ハナタバ』グループのなんの名前なの?」
恥ずかしさのあまり、反応が出来なかった
「??ぼくはナツキって名前だよ」
「そ、そうなんだね!」
へぇぇ〜
でもたしかに、あの癒し系で素敵な歌声は夏くんみたいだな。
「他のメンバーは?」
「他のメンバーはね、さっきの和真と圭と遥斗だよ。和真はえっとね、『和和の一号』、リーダーだよ。圭は『ケイザカ』で、遥斗は『ハルキ』」
やっぱり、なんとなく名前とマッチしているなあ
リーダーの、『和和の一号』さんの歌声はハキハキしていて元気系で明るい歌声。
よく戦闘アニメやファンタジーのアニメのオープニング曲、人気曲を歌っているの
『ハルキ』さんは可愛い系で、可愛いくてよく周りにショタボって言われているよ
可愛いボカロ曲を歌っているの
『ケイザカ』さんは、色々なジャンルの曲を歌っているけれど、恋愛ものの歌を歌っているのは見たことがないかな?
そして、最後に『ナツキ』さん
『ナツキ』さんは、『ケイザカ』さんと同じく、色々なジャンルの歌を歌っているけれど
………唯一、私の曲を歌ったことがある人歌い手さん
私は一応アイドルもやっているからそれなりには曲を出しているの
自分で曲を作って自分で歌詞を作って自分でサムネを作る
そしてもしコラボだったら一緒に仕上げる
サムネはイラストで出したりもするから私が描いているの
こう見えて、音楽好きだし元イラストレーターだったんだよ
「それと、よく『MIMIKA』の出してる曲も歌ってます」
そんなことを考えていると、夏くんがそう声をかけたの
「ありがとう」
ふふ
うれしいな!
見たことあるけれど、やっぱり直接言われると照れてしまう
「私も拝見してます。すごく上手に歌ってくれてたから、嬉しかったんだ。一応、コメントしてたけど、見た?」
「見たも何も、コメント欄が大騒ぎだったよ」
そ、そういえば、私が、『嬉しいです!『ハナタバ』グループの『ナツキ』さん!ありがとうー!!すごく素敵に歌えてました!感動です!!』ってコメントしたら、返信に『え!本人登場!!??』『まさかのコラボ??』とか色々言われてたなあ(だいたい返信110……あはは……)
それでマネに叱られちゃった
でも、それが繋がりでコラボの話が出たんだけどね〜
「そ、そうだったね。あはは、忘れちゃってたよ」
「凄かったなあ。ぼくも、これからも頑張ろうって思ったんだよ。ありがとう」
そ、そうかな?
大袈裟だと思うけれど……
「それと、その格好は変装?」
ひえ、とうとう私の格好指摘されてしまった!
「あーあ、うん!こうでもしないと、一応私インターネットとかに出てるから学校とか目立っちゃって」
防犯とか、普通女子をあこがれてこの格好にたどり着いたし!
「まあ、そうだよね。美華ちゃんは顔さえ出しちゃえば、大騒ぎだからね。ぼくは、歌以外は大丈夫だから、美華ちゃん大変だよね……」
「ううん!慣れっこ!」
「でも、もしのことがあったら、言ってね。協力するから。一応、ぼくも歌い手活動してるし!」
「ありがとう。夏くんも顔を出さないの?」
「うん。でも大きくなったら顔を出そうかなって思っているよ」
「へえー、大人になっても歌い手をするんだね!」
「ぼくはファンのみんなを元気ずけるためにやっているからね」
「他のみんなも同じような考えだと思うよ」
「な、なるほどね」
みんなはちゃんとファンを考えているんだね
でもわかる
私もファンのみんなが大好きだから
初めての舞台では『こんなにもファンが!?』って思ってしまったもの
あの時は、嬉しかったなあ
いや!今でもすごく嬉しいけれど、初めてだと感動もあったから、昔はよけいにだったなあ
「本当に、『MIMIKA』に会えるなんて、うれしいな」
「ふふ!ありがとう」
「それと、なんだけどね?」
ね?と綺麗な顔が少し曇ってしまう
ん?どうしたんだろう?
「お願いがあって、ぼく、『ハナタバ』グループたちと、コラボしてくれませんか?」
あの、大人気歌い手と、私が?
「えっと、それって」
「無理強いじゃないよ!嫌なら、全然言ってくれて!」
「………ってみたい」
「やってみたい!!ぜひ、コラボしてください!!」