双子パパは今日も最愛の手を緩めない～再会したパイロットに全力で甘やかされています～
「それはどういう――」

「たとえば、実は三年前に訳あって別れてしまったとか。恋愛小説でシークレットベビーというそうですが、僕の子どもだということにしていただければと」

　シークレットベビー？思わず首を傾げた。

「あの、大空と翔真をあなたとの子だと、嘘を？」

「ええ――虫のいい話だとは重々承知ですが」

　驚く私に、彼はずっしりと重い話をした。

　彼は子どもができない体質なのだという。それを両親に知られ心配かけたくないのだというのだ。

「自分の息子と思って大切に育てさせていただきます」

　それから少し世間話をして、彼は雑貨を数点買って帰った。

　店の外まで見送り、途中で振り返った彼に頭を下げる。

〝僕の子どもとしていただければ〟

　シークレットベビーという言葉が、頭の中をぐるぐる回る。

　世の中にはいろんな人がいるとわかっているが、予想の斜め上をいく提案にただ驚くばかりだ。

　うちの子どもたち、大福さんとはちっとも似ていないけれど……。

「本当にいいの？」と、わけのわからない疑問をつぶやいた。





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