双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
着陸に備えランディング・ブリーフィングが済むと、機長が「神城」とあらためて声をかけてきた。
「君にまかせよう」
「はい」
呼吸を整え宣言する。
「アイ・ハブ・コントロール」
そして操縦桿を握った。
「ユー・ハブ・コントロール」
機長がチェックリストを読み上げ、ひとつひとつ順番に確認する。着陸用フラップをセット、ギアダウン――。
「以上。チェックリストコンプリート」
管制からの着陸許可が下り、降下をはじめる。
風は正面、パワー、スピードともに問題ない。
雲の切れ間から滑走路が見え始め、アプローチライトがくっきりと現れる。
「ファイブハンドレット」
機長がコールアウトをする。接地はまもなくだ。
「チェック」
集中力を高め、計器に視線を走らせスキャンする。降下率、速度、トラック、風、異常なし。だが――
接地直前で操縦桿がガタガタと揺れ、急速に機体が沈み始める。
やはりきたか。