双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 気にしないようにと思うのに、どうしても考えてしまう。子どもたちが見ていなければ、頭を抱えてへたり込むか、大声で叫ぶところだ。

 隙をみてはため息をつき、そうこうするうち時計の針はカチカチと動く。

着実に時は過ぎていき、午前十時。店の開店時間を迎えた。

 ここからがまた長い。

 子どもたちを遊ばせながら掃除や洗濯をしたりしてお昼。ご飯を食べさせていると、翔真が言った。

「おにーしゃんは?」

 遊んでいるうちに忘れてくれたかと期待したが、そう簡単に記憶は薄れないらしい。

「ひぃじぃじのところでお昼寝が終わってからかな?」

 ふたりともなにやら不服そうだ。

「大丈夫。おにいさんがお店に来たらママが呼びにくるから」

 なんとかなだめて上の階へ連れて行き、お昼寝をさせる。

 子どもたちのためを思うと彼に来てほしい。来てくれなければ彼に見捨てられたとあきらめるしかないが、昨日の言葉を信じている子どもたちを裏切らないでほしい。

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