双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「きれー」
翔真が目を輝かせるのは、私が手にしたワンピースだ。
私はいつも、ゆったりとしたラフな服装が多いから、鮮やかなワインレッドのドレスがもの珍しいのだろう。
「今日はね、これを着てお出かけするの」
一年ぶりにアメリカから帰国した友人、紗空 の帰国祝いのパーティがある。
「ママのおともだち?」
「そうだよ。ふたりとも赤ちゃんのときに会ってるんだけどね、覚えてないかな」
大空は首を傾げ、それを見て翔真も同じように首を傾げた。
その様子がかわいくて、思わずクスッと笑ってしまう。
「あ、そうそう。そのお友だちが、大空と翔真が今着ているこのパジャマを買ってくれたんだよ」
子どもたちは飛行機が好きだと言ったのを覚えていてくれた紗空は、ほかにも飛行機のアップリケがついた上着を贈ってくれた。
「これ、すきー」
大空が自分のパジャマを引っ張ってご満悦の笑顔を向ける。
「よかったね。お礼を言っておくからね」