双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 インターホンを押したがる大空を抱き上げて「ひいばぁば、きたよー」と手を振ると、間もなくドアが開き、祖母が笑顔で迎えてくれる。

「はーい。いらっしゃい」

 夜、私がいないのは初めてだから子どもがちゃんとお留守番できるのか不安だ。しゃがみこんでふたりと手を繋ぐ。

「じゃあふたりとも。ひいじぃじとひいばぁばとお留守番よろしくね」

 なにしろ男の子ふたりだから、騒ぎ始めると始末に負えない。まだ七十代で元気な祖父母 とはいえ、夜はゆっくりしたいはず。お願いだからおとなしくしていて欲しい。

「いい子にしてなきゃ、だめよ? 追いかけっこもダメよ? 暴れないようにね」

「うん」

「わかったー」

 言ってるそばから、パタパタと子どもたちは走って中に入っていく。

「あーもう。ごめんね、おばあちゃん。よろしくお願いします」

「いいのよ。今夜はなんにも考えずに楽しんでいらっしゃい」

 祖母にはおととい母が話を持ってきた縁談の相談もしている。

 なので『なんにも考えず』には縁談も入っているに違いなく、その気持ちがありがたかった。

「うん。ありがとうね、おばあちゃん」
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