双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「お疲れー」

「忙しいのに悪いな」

 マスターにバーボンのソーダ割を頼む。

「ちょうど今来たところだ」

「湖山家に行ってきた。燎ありがとう。茉莉を守ってくれて」

 仁にも礼を言う。麗華の両親は盲目的に娘を信じている。弁護士も言っていたが、仁が派遣した警備員ふたりが記録した録画がなければ、両親は状況を理解できなかっただろうと。

 その場ですべてを見届けたのが、社会的地位のあるグローバル企業の御曹司、須王燎とういうのも大きかった。

 とにかく、ふたりがいたからこそ穏便に事を運べたのだ。

「本当に感謝している」

 ふたりはギョッとしたように声をあげて笑う。

「なんだよ水臭いな。当然だろ。それでどうなった?」

 弁護士から預かった念書を見せる。ほかにももう一枚紙も添えた。

 その一枚には俺の兄からの事実の報告が書いてある。

「嘘だろ」と仁がギョッとする。

 燎も「狂ってるな」と頭を振った。

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