双子パパは今日も最愛の手を緩めない～再会したパイロットに全力で甘やかされています～

　麗華は俺の兄を困らせるためなにか企むかもしれない。そう思って兄には警告していたが、あろうことか彼女はＣＡを脅し、兄の飲み物に薬を入れようとしたのだ。

　だがＣＡは責任感から実行せず兄に報告した。薬は睡眠薬だった。

　報告書を読んだ湖山氏は、ショックのあまりその場に崩れ落ちたらしい。当然だろう。飛行中のパイロットに睡眠薬を飲ませようとするなど、正気の沙汰じゃない。しかもそれを指示したのが自分の娘だというのだから。

「でもまぁよかったな。ここまで証拠が揃えば麗華の親父さんが、全力でなんとかするだろ」

　そう言って仁がポンポンと俺の肩を叩く。

　あらためて無事解決を祝い乾杯する。

「航輝、飯は？」

　そういえば夕飯を食べていなかったと思い出した。

　時計を見れば夜の八時。忘れていた食欲が湧いてくる。

「牡蠣飯があるぞ」

「おおーいいね」

　それから他愛ない会話と食事を楽しみ、途中、ふと思い出して別荘の管理人に電話をかけた。