双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 子どもたちが急に熱を出しても心配ないよう、近くにある評判のいい小児科を調べておくことと、早くから部屋を暖めておいてもらえるよう頼んだ。

「明日さ、子どもたちも連れて那須に行くんだ」

「おおー、早速旅行か?」

 仁がニヤニヤと笑う。

「子どもたちはまだ雪を見たことがないからさ、楽しみだ」

「そりゃどうも、ごちそうさま」

 開き直る俺に呆れたのか、仁がやれやれとため息をつく。

「それで? 結婚は決まったのか?」

「まだだ。返事待ちさ」

 今はただ、なにはなくとも茉莉と双子と一緒にいられるだけでいい。

 茉莉も同じ気持ちだといいが……。

「あ、そうだ。航輝、頼まれていた調査、あがってきたぞ」

 仁が鞄から取り出したのは警備会社の封筒だった。

 早速封筒を開けてみると、茉莉の実家についての調査報告が入っている。

 仁の警備会社は極秘で調査会社のような仕事も引き受ける。金沢にも支店があると聞き頼んでいた。

「サンキュー」

< 235 / 292 >

この作品をシェア

pagetop