双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 はにかんでいる彼女の背中に腕を回し軽く抱きしめる。

 彼女の服装は動きやすそうなデニムのパンツにたっぷりとしたセーター。ダウンジャケットを羽織り足もとはブーツ。完璧だ。

 というのも俺もほぼ同じ格好だから。

 違いがあるとすれば、茉莉は柔らかいモヘアのアイボリーのセーターにグレーのダウンジャケット。俺はグレーのセーターに黒のダウンジャケットというだけである。

「ペアルックだな」と言うと、茉莉は「色が全然違う」と笑う。

 頬を染めて明らかに照れた様子がかわいい。

 車を停めてあるコインパーキングまで歩く。茉莉はなにを詰め込んできたのかスーツケースを引いていた。

「あの、車にベビーシートはありますか?」

「もちろん、バッチリだ。後部座席にしっかりと取りつけてあるよ」

 抜かりはない。

「四駆だしオールシーズンタイヤだから、雪道も心配ないぞ」

 親指を立てると、茉莉はアハハと笑った。

「完璧ですね。今日はよろしくお願いします」

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