双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「私はいいですよ。今朝ペアルックだねって言ってたじゃないですか」

 子どもたちはいいけど、私は遠慮したい。

 それでなくても航輝さんと一緒にいると目立つのに、これ見よがしにペアルックなんか着たら、世の中に向かって見てよと全力で主張しているようなものだ。

「だーめ。買うよ」

 なのに航輝さんはすっかりその気になっていて、アウトレットは品数が少ないな、などと失礼なことを言いながらキョロキョロと首を回す。

「えっと……。じゃあ、またの機会にしましょう?」

「でもさ、記念になにか買いたいよ。家族記念日的な」

 家族記念日……。

 そう言われると私も欲しい、家族記念日の思い出の品。

「なにがいい?」

 高価な物じゃなくて、身近なものがいい。気軽に手に取れて丈夫で――。

 ゆっくり考えたいが翔真が「ママー」早くもじれ始める。

「じゃ、じゃあ、Tシャツは?」

 航輝さんはうんうんとうなずく。

「いいね、そうしよう」

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