双子パパは今日も最愛の手を緩めない～再会したパイロットに全力で甘やかされています～

　どうかこの頼みだけは聞き入れてほしい。

「子どもたちが幼稚園に通うようになるまでは一緒にいてもいいですか？」

　それまではまだ、子どもたちには私の温もりが必要だろうから。幼稚園に行き始めれば友達もできるだろうし、世界も広がって私が距離を置いても大丈夫だと思う。

　航輝さんなら私以上に子どもたちを幸せにしてあげられる。細かいところまで心配して、先回りして準備をする余裕がある。

　私は今まで全然ダメだった。いつも目の前のことに精一杯で、どうしたらいいのかもわからずに振り回されて、焦って走り回るだけだった。

　でも、あなたなら落ち着いて子どもたちも安心できる。

「ちょっと待って茉莉、どういうこと？」

　航輝さんは怪訝そうに片方の眉を上げるが、たとえ反対されてもちゃんとお願いしなきゃいけない。

　大きく息を吸って、気持ちを整える。

　絶対に泣いちゃいけない。子どもたちの幸せのためなんだもの。