双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
【どうも俺を探っているやつがいると連絡があって、もとを辿ると大福という男に辿り着いたんだ。そして、鶴見に繋がったわけ】

 途中、大福って言葉にドキッとして、〝鶴見〟って呼び捨てなのにクスッと笑う。

 あんなやつ、呼び捨てで十分だ。

「脅迫してきたんですか? 私と子どもたちの件で」

 それには答えず彼は【なんとも呆れたよ】と言う。

【まったく。俺を正面から恐喝するとは。なんの捻りもないんだからな】

 プッと噴き出した。

 義父は私には悪魔のように恐ろしい人だった。なのに、きっと百人束になってかかっても、航輝さんには敵わない。

「航輝さん、いまどこにいるの?」

【うん……フェリーチェの前】

「えっ?」

 慌てて窓辺に行き、見下ろせば航輝さんが手を振った。

「来てください」

【いいのか?】

「もちろん」

 航輝さんが電話を切って、私は玄関に向かう。

 小さなエレベーターに耳を澄ませ、到着するのを待った。

 ガチャッと音がして、扉が開いて――。

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