双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 というわけで、私たち母子が神城の姓に変わって半年後。こうして私たちは親子そろって機上の人となったのである。

 その後、彼が友人たちと話をしている間に、だったらうちのシャトーを使えと須王燎さんが言いだして、トントン拍子に話はまとまったのだ。

 ブルゴーニュには須王家御用達のシャトーがあり、紗空はそこで結婚式を挙げた。

 勝手はわかっているし、子どもたちが駆け回ってのびのびと遊べるのもいい。私はなにより親友の紗空と同じ場所で式を挙げられるというのもうれしかった。

 なにしろ紗空の結婚式には、出産時期と重なり行けなかったから。

「ひーじぃじ。見て―」

 子どもたちが祖父母のところに行って、CAさんにもらったおもちゃを自慢しはじめた。

「あら、よかったね」

 貸し切ったファーストクラスは十席。航輝さんと私と子どもたち。そして祖父母。母に妹と弟が乗っている。

 神城のお父様はお母様と一緒に仕事でロンドンにいて、直接現地にて集合だ。

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