双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
 航輝さんは今回大型連休を取るために、フライトスケジュールをみっちり入れていたし、私と子どもたちはフェリーチェと神城の家を行ったり来たり。

 神城のお父さまとお母さまは、子どもたちと私を諸手を挙げてで歓迎してくれたのだ。〝おばあさま〟に植え付けられた上流階級に対する恐怖を、明るい笑顔でいともあっさりと消してくれたのだ。

 こうして今日を迎えられたのは、私ひとりの力じゃない。

「応援してくれたみんなのおかげだわ」

「ああ、そうだな」

 腕を伸ばして、彼は私を抱き寄せる。

「でも、一番がんばったのは茉莉だぞ」

 頭を振って「航輝さんのおかげ」と、彼の頬にキスを返す。

「幸せか?」

「もちろんよ」

 これ以上ないほど幸せだ。

《ご搭乗の皆様こんにちは。本日は――》

 搭乗御礼の機内アナウンスが始まった。

 戻ってきた子どもたちに「おじさんよ。わかる?」と教える。

 耳を澄ませて聞いていると。

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