双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「ああ、そうだね。少なくとも男は全員」

「全然知らなかった。航輝さんにこんなにたくさんお友だちがいるなんて」

 もっと孤独な人だと思っていた。

 燎さんだけじゃない、さっきまで彼は、ここにいる人たちととても親しげに話をしていた。かつての私も見たこともない打ち解けた楽しそうな笑顔で。

 まるで知らない人のようだった。

「君も。まさか俺の友人の奥さんの友だちだとはね。でも、結婚式来てなかったよね?」

 ドキッと心臓が跳ね上がり、思わずシャンパンにむせそうになる。

 紗空の挙式は二年前、披露宴は参加できなかった理由は、双子の出産を控え、入院中だったからだ。

「たまたま、どうしても用事があって参加できなかったの」

 なにを思うのか「ふぅん」と彼はうなずく。

「グランドスタッフになるのはやめたのか?」

うん、と小さくうなずく。

 覚えていてくれたんだ。

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